
「留学」という言葉がブランドと同じような響き
(daisy-an)
大切なのは、留学経験ではなく、得たものやその後の自分だと思いますが、「留学」という言葉がある種ブランドと同じような響きを持って、優遇されることもあります。
社会的連帯意識が芽生えたのが一番の収穫
(れじ子・東京・パートナー有り・31歳)
現在MBA留学の準備中です。高校生のときにインターナショナルスクールに通いました。さまざまな人種、障害のある生徒などと一緒に学び、同じ人間として、誰かが孤立した不利な状況であれば、一緒に戦うという社会的連帯意識が芽生えたのが一番の収穫でした。
今回の留学では、仕事上のステップアップを目指し、卒業生のネットワークも活かして、やりたい仕事により近づきたいと思っています。もちろん、授業や卒業生の進路なども調べ、学校や卒業生ともコンタクトを取ってから学校を決めました。
ギャップも享受する心意気が必要
(harapeco・東京・未婚・32歳)
わたしは留学前に下調べをしに現地へ行きましたから、「理想」というものより「厳しいなぁ」という思いを抱いて日本をたちました。ところがその厳しさは想像よりはるかにすごく、勉強についていけない、友人ができない、人種差別的扱いを受けるなど、思い描いていたものとは相当違う留学生活を経験しました。
ただいい意味でのギャップも多くありましたから、どちらのギャップも隣り合わせに存在するのです。「こんなことになるなんて」は留学にはつきもの。そういうギャップも享受する心意気が海外生活では必要なのです。
日本ではまだまだMBAホルダーの価値を活かせない(Yuucoco・東京・25歳)
日本では身につかない経験や、語学力の向上など、新しい知識が増えることは間違いないと思います。でもそういうことが日本での仕事に役立つかと言ったら、それは疑問です。たとえばMBAの資格を取っても、日本ではまだまだMBAホルダーの価値や使い方をわかっている企業は少ないと思います。費用と時間もかかりますしね。
各国の人たちのとのグループワーク(古川みゆき・関東・パートナー有り・43歳)
欧州のMBAを取りにいきました。最も役立ったことは、世界中のいろいろな国から集まった人たちとグループワークをしたこと。知らず知らずのうちに自分の中にある偏見や、日本人だからというこだわりを見つめなおすことができたと思います。それでもお国柄は、やはりあります。でも決め付けないで、その人の人格を認められるようになったと思います。
それから、やはり日本人の働き方は異常かな、とつくづく感じました。もっと生活や人生を楽しめたらと思いました。仕事も義務ではなくて、何かの目的に向かった能動的な活動なんだと考えをあらためました。そしてうまく自己主張することは、まだまだ自分に足りないところです。
異文化への柔軟な対応が身についた(miechan・東京・未婚・34歳)
英語力が上がったことと異文化への柔軟な対応が身につきました。商業施設の運営に携わっていますが、施設には土地柄、アジア諸国を中心に外国人の方がいらっしゃいます。特に、業務ではないのですが、館内で迷っていらっしゃる方のご案内や店舗での細かいやり取りが必要になった際にサポートに行きます。留学中には中国・韓国の方も多くいたので、発音の訛りなどは耳慣れているので助かっています。
しかし、日本企業のため、社内の人間関係が面倒です。視野の違いや意見の違い、働く姿勢の違いなど、そちらへの気遣いがストレスになりつつあります。男性社員から「あなたは外国人と結婚すれば? 日本人の男には向いていない」などということも言われ、「日本人の男」でなく、「あなたのような人間です」と言い返しそうになってしまいました。さすがに、抑えましたが……これも、セクハラに入るのでしょうか?
留学生たちとの交流で得た多様な考え方が生きている(kuniwaka2001・神奈川・既婚・31歳)
大学4年間をアメリカで過ごしました。アメリカ人やアジア、ヨーロッパ、アフリカ、南米などの多くの国々の留学生たちとの交流を通して、彼らの考え方、生活などを知ることができ、数多くの驚きや発見がありましたが、そのことによってわたし自身のキャパシティーが広がったと思います。
正直に言うと、慣れるまでは不愉快な気分になったこともありましたが、それが彼らの文化なんだ、考え方なんだと思うと、大したことではありませんでした。また、わたしはさまざまな年齢の人たちが学ぶコミュニティーカレッジでも学ぶ機会があったのですが、そこでも幅広い年齢の人たちとの交流を通して、多様な考え方を学ぶことができたと思います。
会社にはさまざまな年代の人がいて、一見画一的に見えたとしても、それぞれに個性をもった人が数多く働いています。留学によって得た語学、専門知識もわたしにとっては大きな財産ではありますが、それよりも彼らとの交流で得た多様な考え方が、いま、仕事に大いに活きていると感じます。
大切なのは目的意識と、スキルをどう生かすかを自分で考えること(PANDORA)
わたし個人は、100%といっていいほど留学経験を生かした仕事をしています。フリーランスだからできるのかもしれませんが、留学経験がなかったら、いまのわたしはないでしょう。もっとも、公費留学だったので同期生が何人かいるのですが、留学中、日本人同士で固まってばかりだったり、帰国後、すぐに専業主婦になって家庭に入ってしまったりと、何のための留学だったのかなと思う知人もいます。大切なのは目的意識と、スキルをどう生かすかを自分で考えることだと思います。
履歴書に書けること以外に身につけたもの(donkun・埼玉・21歳)
インターンシップを経験したあと、本格的に留学したくなり、準備を進めていました。しかし健康上と経済的理由から現在延期中です。このままだとおそらく普通に留学するのでなく、Distance Educationあるいはeラーニングなどで勉強することになると思いますが、それだとやはり物足りないです。
実際にインターンとして働いていた時はすごく充実していましたし、肌で感じて得るもののほうが、机の上だけで身につけるより遥かに大きいと感じました。せっかく留学して資格を取って、活かしきれないのが現状ですが、果たしてそれだけでしょうか? わたしの友人は留学でとてもたくましくなって帰ってきました。投稿を読んで思ったのですが、履歴書に書けること以外でみなさんが身につけたものが、仕事に十分役立っているようにわたしは思えます。

留学時の悔しさをバネに(yokkom)
昔流行のように語学留学に行く人が多く、わたしも明確な目標がないまま短期の語学留学をしました。子どもと会話するのでさえやっとで、英文科に在籍といっても「どんな作家が好きなの?」にも答えられない始末。散々打ちのめされて帰国しました。
その後就職した病院の受付で保険証の有無を英語を話してくれと言われましたが、もちろん、ちんぷんかんぷん。退職後、今はその悔しさをバネにマイペースで勉強しています。将来は語学だけでなく、今の仕事に役立つようにデザインも勉強したいと考えています。
やりたい仕事には活かしきれていない(MARNI)
アメリカの大学に1年間留学して、ファッションマーケティングについて学んできました。日本ではこの分野についていい教育機関がないので、帰国後、即戦力としてある著調査会社に就職しましたが、そこには厚い前任者の壁が。つまり今までの付き合いというかしがらみで仕事がこちらに回ってこないのです。結局今はその人のアシスタントとして働いています。専門分野を持っても、そこに従事できるとは限らないということをおあらためて思い知らされました。