対環境問題の外交カードと考えれば有益(まるこぽおろ・東京・パートナー無・32歳)
これまでのみなさんのご意見、拝見しました。近年の中国の経済発展、ごもっともです。ただ、どうも日本のメディアから読み取れる情報のみで判断されているような気がしてなりません。というのも、みなさんの指す「中国」の定義があいまいに思えます。上海や北京だけが中国でしょうか? 実際問題、経済発展の著しい都市人口は13億の民のいったい何割だと思われますか? 北京、上海に関してはたった2%、沿海部全域を含めても20%に過ぎません。残りの大多数の人々はいわゆる内陸、農村部で生活しています。中国国内の経済発展のアンバランスがこのまま続けば、国内の持続的な経済成長は見通せないばかりか、中国国内が不安定な状態に陥ると日本経済への打撃も相当なものになると考えます。また、中国のもたらす環境問題はもはや国レベルではなく、全世界的な影響をもたらします。多額のお金を貸すいわゆる円借款は確かに削減すべきですが、経済や環境など、日本に、アジアに、世界にとって有益になるようODAというカードを使ってコントロールするのは決して無駄な投資ではないというのが私の考えです。
それになにより、私たちは政治レベルの判断や一方的なマスコミの情報に踊らされて、市民レベルの日中の理解を軽視しすぎているのではないでしょうか? 中国に入れ込み過ぎてるわけではないですが、中国批判をする人々は現地に(都市だけでなく地方も含めて)行ったこともないのに、あんな超大国を一言で片付けようとしている点も問題です。日中双方は初等教育の段階からリベラルに隣国を理解しようとする取り組みが必要なのかもしれませんね。日本は島国、資源にも乏しく、隣国との関係をもっと多面的に長期的に考えなければ最終的に取り残されてしまうのでは? もっと言いたいことありますが、とりあえずこの辺で。
ODAを要求されるのは、自信を持っていい証拠?(Pururu・東京・パートナー有)
今年の日本の経済成長は中国抜きでは語れません。中国政府との良好な関係を続けることは、日本経済にとってはとても大切だということを、日本政府は十分認識していると思います。共産主義というのは政府がひとたび日本人との商売は行わないと言ったとたん、民間においての経済はストップしてしまう、おそらくそんな危険もはらんでいるのではないでしょうか。表向きは戦後補償と絡めたODAでしょうが、実情はすでに変化していることは日本も中国もわかっていることと思います。
ただ戦後一貫して抗日教育を行ってきた中国政府が、手のひらを返したように「ここで抗日はおしまい」ということもできないのではないかと思います。一度刷り込まれた考えを変えるのは大変なことです。かつて中国侵略を正しいことと教えられた日本人も同じことだと思います。
同じ敗戦国のドイツでも同じような状況があります。ドイツ人青年が「どうしていつまでも謝り続けなければいけないのだろう」と言っていました。ただ日本人とドイツ人の違いは戦争で「何を“した”か」、ということを国民が教育現場を通して知らされているかどうかということです。
一方、私は日本との過去の関係を冷静に見ている国際的な中国人に、たくさん出会っています。北京から来た人に「有人飛行すばらしいね」と言ったら、「日本はその気になればできるでしょう。十分世界で認められている国は、国家高揚や先進国の仲間入りの宣言のためにロケットを打ち上げる必要がないんです。」と言われました。ODAを頼まれるというのは、まだまだ日本が自信を持っていい証拠と受け取るというのは楽観的過ぎるでしょうか。