松下電器80年の、ものづくりの歴史の中で、リサイクル事業はまだ2年半。さまざまな課題にぶつかりながらも、新たな領域を開拓している様子がうかがえました。
リサイクルのためのマナー展示
メテックにとって頭痛のタネは、排出者マナー違反。冷蔵庫や洗濯機の中に、食べ物や衣類、ほかの電化製品、ごみなどを入れて出す人が少なからずいるそうです。 これらはキレイに取り出してからリサイクルしなければならないので手間がかかり効率が悪くなっています。 「わたしたちは使用済みの家電を『ごみ』ではなく、『資源』だと思って大切に扱っています。ごみを入れて出されると、非常に悲しいです」。(堀之内さん)
「いらなくなった家電を『捨てる』のにお金を『取られる』なんて」と思ってしまうことはありませんか? 堀之内さんに質問してみたところ、「お世話になった製品を、生まれ変わらせるための費用。新しい子どもを誕生させるための費用なのだと前向きに考えてほしい」という答えが返ってきました。 多くの人が前向きに考えられるようになれば、「循環型社会の実現」も遠くないでしょう。
現在の「家電リサイクル法」では、使用済み家電のリサイクル率を定めているものの、新製品にリサイクル素材を使うことは定めていません。循環型社会を実現するには、リサイクルした素材の使い方にも、もっと目を向ける必要があるのかもしれません。 ※この記事は2003年掲載時の内容です