イー・ウーマン関口和一さんｉPodやHDD録画機へ補償金をかけることに賛成？

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会議番号:2456

ｉPodやHDD録画機へ補償金をかけることに賛成？

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【開催期間】
2008年05月26日より
2008年05月30日まで

円卓会議とは

このテーマの議長

関口和一　日本経済新聞編集委員

皆さん、こんにちは。今週も一週間ありがとうございました。最終的には、iPodやHDD録画機に補償金をかける�……

議長コメントを全文読む

4日目までに届いている投稿から...

	賛成です。 (KEICO103・愛知・パートナー無・29歳)
著作権者の権利はとても大切だと思います。メーカー（と消費者）だけが利益を得ることに疑問をわたしは感じます。作った人々に利益が上がらなければ、不満があがるでしょう。そして、やる気も減るように思います。パテントや著作権は守られるべきだと思います。

複雑なテーマ (ポーチュラカ・福島・パートナー無・40歳)

私には古希を迎える母がいます。彼女もCDで好きなアーティストの音楽を楽しんでいます。レコード世代の母も、ラジカセからCDまではなんとかついてきていますが、DVDやi-Podとなるとちんぷんかんぷんです。同じような人がたくさんいると思いますから、そうしたひとにもわかりやすい方法で、著作権を守ることはできないのでしょうか。シンプルにするのは難しいかもしれませんが。

とにかく分かりやすく！ (pukupuku・東京・パートナー有・32歳)

一昔前であれば、権利者団体とメーカーの協議（密室協議？）で解決したのかも知れません。最終的に補償金を負担するのは私たち消費者ですから、そんなことにならないことを祈っています。コピー制限するなら補償金なし、補償金をかけるならコピーフリー、現状のようなコピー制限も補償金も「どっちも取り」はダメ、というくらいに分かりやすく整理して、その新しいルールの下で新しいビジネスモデルが作られていくとよいのですが。

著作権管理システムの見直しを (wakanosuke・沖縄・パートナー無・39歳)

著作権料の管理の仕方がピンときません。どんぶり勘定で運営している感が否めない。録画録音機器に課金される場合、権利者個別に支払いができない。ということはユーザーは見てもいない聞いてもいない物へ著作権料を払ってるとも言える。なのでまず著作権料の管理システム自体を見直して欲しい。デジタル放送も劣化せずコピーされるのを嫌うなら、最初からオリジナルより低い画質で放送すればよいのでは？　私は地元で放送されてない番組を県外の人に録画頼んだりしてるのでコピーできないと困る。

技術の進歩を阻害するから (ＩＰウーマン・39歳)

著作権は著作物（著作者）に発生させるべきと考えるので、録画機に補償金、ということ自体、技術の進歩に待ったをかけるようで納得がいきません。基本的にはコンテンツを利用する人が購入する際に支払えば充分だと考えます。ダビングを防止するためには、ダビング10等という中途半端な数にせず、ダビング3くらいにすればよいのではないでしょうか。コピーを検知するようなシステムを構築できれば、コピーの度に代金を徴収できるでしょう。結局はネットを使うことになるのだと思いますが。

音楽家の立場から (Coco Bennie・広島・パートナー無・39歳)

音大生だった時、上級生から聞いたのですが、作曲家は自分が作曲した曲が著作権を持っていると、あちこちで流れるたびにチャリン！　とお金が入ってくるから、演歌でも一発当てて優雅に暮らそうって！　私、その時、そんなのおかしいって思ったんですよ。一曲当てれば一生暮らしに困らない、そんなのって仕事って胸張って言えるの？　って。音楽家として、私が活動する目的は、ひとりでも多くの人に感動してもらうこと。録音を聞かれるたびにいくらか頂戴しようってせこいお話だと思いますよ。

コピーされたら損ですか？ (ローズマリー・海外・パートナー有・39歳)

作者の権利を守るのは必要ですが、流通が進んだことにより、その作品の認知度は、過去とは比較にならないほど、早く、広範囲に広がっているのも事実。そのベネフィットの対価というのは考えられていないように思います。記録装置の発展・普及のおかげで、その作品の存在が世に知られているという側面もあるでしょう？　本来なら莫大な宣伝費がかかる所です。記録装置にどんぶり勘定で補償金をかけるというのは、「取れる所から取る」という仕組みにみえて、賛成できません。

純粋に楽しむことも課金？ (らいらっく・埼玉・パートナー有・40歳)

CDを買って、それをいつでも楽しみたいからiPodに落として通勤時使用。そうすると2重課金されることになるのですよね？　悪質な利用者にだけ罰則を設けることはできないのでしょうか？　不正コピーソフトが出回っていることの方を取り締まるべきだと思いますが、取りやすいところから取る、では税金と同じだと思います。

5日目の円卓会議の議論は...

作り手と利用者にとってフェアなシステムの必要性

皆さん、こんにちは。今週も一週間ありがとうございました。
最終的には、iPodやHDD録画機に補償金をかけるべきだという声が45%で、かけるべきでないというほうが55%と多くなりました。皆さんからいろいろなご意見をいただき、私自身もとても勉強になりました。

なかでもpukupukuさんの「コピー制限するなら補償金なし、補償金をかけるならコピーフリー」というご意見や、IPウーマンさんの「著作権料はコンテンツを利用する人が購入する際に支払うべき」というご意見はとてもクリアでした。私的録音録画補償金はデジタル記録装置の登場に対し、しかたなく設けられたものであり、ネット時代が到来した今は、その使命を終えつつあるように私も思います。

今から30年ほど前に米国で「ベータマックス訴訟」という事件が起きました。ソニーが開発した家庭用ビデオに対し、映画業界が著作権侵害にあたるとして提訴したというものです。ソニー側はこれは視聴時間をずらして見る「タイムシフト」であり、侵害にはあたらないと反論し、勝訴しました。ではその結果、どうなったでしょう。映画業界にとってビデオ、DVDの販売はとても大きな収入源になっています。

技術の進歩は止められるものではありません。法律や制度はとかくそうした技術の発展を阻害するような方向に働きがちです。ソニーのウォークマンがアップルのiPodに出遅れてしまったのも、コンテンツ部門から著作権保護を厳しくしてほしいという要請があったからだと言われています。日本の音楽業界の立場も同様で、せっかく日本メーカーが携帯音楽プレーヤーという商品分野を確立したのに、その主導権を奪われてしまいました。

しかし、創作者の創作意欲をもりたてるためには必要な対価をもたらすことも重要です。権利者団体の声を借りれば「だからこそ補償金が必要だ」ということになるのだと思いますが、ではその補償金がちゃんと創作者のもとに公平に還元されているかというと、疑わしい部分もあります。ネットを使って視聴ごとに課金したほうが、創作者にとっても、利用者にとってもフェアなような気がいたします。

問題はそうした仕組みをどう作るかですが、今回のダビング10や補償金の議論がきっかけとなり、新しい制度やシステムの構築に向かえばいいと思っています。皆さん、一週間、本当にありがとうございました。またイー・ウーマンのサイトでお目にかかりましょう。

関口和一
日本経済新聞編集委員


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