日本では、ここ数年、「ワークライフバランス」「ダイバーシティ」「少子化対策」といったさまざまなキーワードのもと、働く環境の改革をすすめています。「YES」と答えた方のコメントを拝見していると、そのいい面が出てきているなと感じました。「残業はしない」とはっきり言える、ちゃっぴぃさん。制度を導入&活用して、育児休暇復職後も子どもが9歳になるまで短時間勤務が可能なRICOMINDさん。効率よく仕事をこなすことで、残業しなくなった、ぷ〜にゃんさん。みなさん、うらやましいぐらい、いい働き方をされていると思います。
その一方で、「子育てや介護といった理由だと、残業をせずに退社しやすい雰囲気」というぺりさんのメッセージや、「子ども持つ人だけ」は不公平というmcqueenさんのご意見もあります。
昨年、私がイーウーマンの働く人の円卓会議で議論したことをきっかけに、さまざまな女性の声を集め、当時の福田総理に届けました。そのとき届いた「声」を隅から隅まで読んで、日本の「働く環境の改革」は、二極化しているのではないかと、感じるようになりました。その二極は、一方向ではありません。「大企業と中小企業」「女性と男性」「子育て中とそれ以外」「都市と地方」……。国や企業のそれぞれの思惑の中、それぞれの要素の格差が、複雑に、そして確実に広がってきているのかもしれません。
特に、「大企業と中小企業」の格差は大きいです。NOと答えたCoco Bennieさんの、「仕事があるだけでも、ありがたいという弱みがこちらにあるので、頼まれて“残業しない”というのが、後ろめたい気分だし、断れない自分と断りたい自分が葛藤しています」というメッセージは、おそらく中小企業で働く(女性に限らず)多くの人たちも、同様の思いを持っているのではないでしょうか。
今回、私がこのテーマを設定したのは、単にみなさんの「残業」の有無について聞きたかったからではありません。「残業」という1つの日本の労働の習慣を切り口に、日本は今の働き方のままでいいのか? ということまで、みなさんと語り合えたらと思っています。まさに、mcqueenさんからいただいた「残業ありきの日本企業の生産性の低さを国家全体で考える必要がある」ということですね。
明日は、「女性」に限らず、「残業」という概念自体がある日本の働き方について、もう一歩踏み込んでお話したいと思います。
そこで、「会社に“残業しない”と言えますか?」という質問に、これからお答えいただく方、すでにお答えてくださった方、みなさんにお願いです。あなたの職場全員が、あなたと同じような働き方をされていますか? このテーマに、あなたと同じ答えをされるでしょうか? ご自身の「YES」「NO」とは別に、コメントで教えていただけるとうれしいです。
田澤由利 ワイズスタッフ代表取締役 |
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