
付き合いや行動範囲が広くなった
(しろりむ・三重・パートナー無・36歳)
ITの進歩でワークスタイル、ライフスタイルが大きく変わったように思います。地方都市の、しかもその郊外に暮らしていると、どうしても自分が移動できる範囲内の付き合いが中心になり、ある意味、精神的「ムラ社会」に生きていましたが、ITによって自分が移動できないところに住む人とも親しく交際したり、ときには仕事の話をしたりすることが可能になりました。もちろんそれまでにも電話や手紙というツールはありましたが、便利さという面ではITはそれらの通信手段より格段に上ですよね。
また、病気や障害などのために自分の行動範囲が限られていた人にとっても、ITは可能性に満ちたツールだと思います。求めている物や人、サービスなどが身近に得られず、あきらめざるを得なかったような場合にも、外に可能性を求めるという前向きな精神も生まれてきます。わたし自身について言えば、今までは仕事探しの際、通勤30分以内というふうに条件を限定するような探し方でしたが、メールやインターネットによって自宅で仕事をするということもにわかに現実味を帯びてきました。実際に在宅勤務ができるかどうかはわかりませんが、選択肢が増えたことによる安心感は確実にあります。これもITの福音だと思います。
システムが変わって
(じょるじゅさんど・愛知・パートナー有)
進歩というのかどうか、システムが変わって一太郎が使えなくなりました。それまでのファイルはワードに変換して使わなければならなくなりました。これが大変! 文書だけなら簡単ですが、罫線が入っていたりすると微調整に時間がかかってしまって、「ワードのおばか」と怒鳴りたくなります。文書の変換に半日かかることもあります。
大切な友人と疎遠にならずに済み
(ENYA・神奈川・パートナー有・48歳)
海外の専門学校で学んだ後、それぞれの道に分れて学び続けている仲間は、世界中、日本中に散らばっており、そんな状態の中で情報、意見を交換しながら切磋琢磨して付き合っています。仕事をしているから、あるいは異国ゆえの時差があるからとタイミングを計って連絡をする必要がなくなり、大助かりです。そのお陰で、大切な友人と疎遠になる心配がなくなり、また、日本にいながらにして世界中の現場からの情報を入手することが可能になり、人とは違うスタイルを編み出しています。
職場が静かに
(Danzen・神奈川・パートナー無・30歳)
いまや仕事のやり取りには、パソコンを使うことが主流です。それまでは電話対応に追われた事務処理も、自分のペースで進められるようになった。が、反対に自分が依頼した業務も相手のペース次第になりました。職場が静かになりましたね。
外出が減った
(潤・埼玉・パートナー無・34歳)
一番働き方が変わった点は、外出することが少なくなったこと。メールでの応答が多くなりましたね。仕事に合ったソフトを使えば、素人でも簡単にできてしまうのもいい。仕事柄日本全国が対象なので、通信コストの安さから、メールを使う場合が多いです。
場所と年齢のハンディを乗り越え(ゆりぼたる・岩手・パートナー有・51歳)
大きな恩恵を受けています。二人の子どもが大学進学で家を出てから、何をしようか……と、考えました。中央から離れた地方都市に住んでいること、もう若くはないこと、この2つのハンディを見事になくしてくれたのがインターネットでした。現在、インターネットで翻訳の仕事を受注しては、充実した日々を送っています。
短時間で品質を上げることが課題に(sara・東京・パートナー有・30代)
システムエンジニアです。3年目くらいまでは設計書も手書きで、プログラムソースコードも手書き。コンピュータにプログラムを打ち込むのは、手書きのそれらをチームのメンバーに回覧してレビューをしてから。思えば、その当時のほうが今より品質はよかったような……。
当時は作業時間が長くかかるため、一つのプロジェクトの期間も長く、じっくりと仕事する、といった感じ。今は一人1台のパソコンやメールのおかげで、設計書の作成もコーディングも速くなりましたが、それだけ開発期間も短くなり、いかに短時間で品質を上げるかが課題です。
外出しないで子どもの帰りを待てる(suhama・パートナー有)
おかげさまで、転勤族のわが家でも、PC環境が整ってさえいればどこでも仕事が追っかけてきてくれます。不定期で、一時的な契約ばかりですが、この時代だからこそ、外出しないで子どもの帰りを自宅で待っていてあげられる仕事が成り立つのだと感謝しています。
子どもが転校続きで不登校に陥りかけた時、子どもにとっては、家に母親がいることが安心できる環境が必要だったのだということをつくづく思い知りました。また、そんな時でも子どもの暗い気持ちに自分も滅入ることなく過ごせたのは、在宅であっても仕事をする、という自分の時間が持てたおかげでした。自分の気持ちと子どもの気持ちの両方を支えたITの進歩は、少し前であれば考えられもしなかった世界です。
途中経過をメールで報告(あきんぼ・東京・37歳)
上司への仕事の報告の手間が省けるので、楽になりました。明示的に週報などで報告しなくても、途中経過程度ならば、メールのCCの宛て先に上司を追加すれば、状況報告が不要なことも多々あります。その反面、直接話せる距離なのに、話すのが苦手、もしくは部下を指示通りに動かす自信がないために、メールで指示する上司もいて、スムーズな仕事の進行を妨げているとも思います。
操作が複雑になり(いつき・大阪・パートナー無・27歳)
保険の営業社員が使うソフトのヘルプデスクをしています。5年前は見積もりしかできなかったのが、現在はパソコンで申込書を印刷して、インターネット回線を使って本社のホストに申し込みを送信するといったシステムになっており、社員はそれを使わないと給与に影響が出るといったところまで進んでいます。年配の営業社員にとってはきついだろうなと、サポートをしていて思うのですが、同時にサポートをする側も説明や操作が多分野にわたって複雑になり、大変です。
使いこなす知恵がなければ(Natural・東京・パートナー有・45歳)
わたしは1年前まで、26年間IT業界で仕事をしてきました。その経験から言えば、ITの進歩によりいろいろな可能性が広がるのも事実ですが、反面そのすばらしい技術を使いこなす知恵がなければ「宝の持ち腐れ」だと思います。また、ITの時代だからこそ、人と人とのコミュニケーションや癒しなども必要になってくるのではないでしょうか? わたしはそのように考え、昨年ストレスケアのサロンを立ち上げました。立ち上げ時や経営の中でも、もちろんITをフルに活用し、とても助かっているのも事実です。