
お芝居がやりたかった(Hotelier・千葉・28歳)
年齢の壁、私は自分自身で作っているようにも思います。確かに求人情報などを本気で眺めてみると、30歳くらいまでとする企業のなんと多いこと。そう考えると、「キャリアチェンジをするならいまかしら」と思ったり、「でも新しいことをするのだから、いまよりも収入が低くなる。せっかくここまでがんばったから、もう少しここでやって、ポジションをあげる努力をしようかしら」「でもせっかくの20代がチャレンジしなかった時間になってしまう気がする……」などと、堂々巡りです。でも、そのなかで、やはり必ず年齢を気にしているのです。そんなことから、キャリアチェンジに年齢の壁はあるように思います。私はずっとお芝居がやりたかったんです。お芝居の学校はお金がかかることありますし、また、両親が大反対でもあり、私自身もこの世界でご飯を食べる勇気がなくて、働きながら夜間の劇団に入りました。そして、今年初めて思い切って、全日制の劇団を受けて感じたのは、「なんて若い人ばかりが受けに来ているの?」ということ、そして、やはりいくつかの劇団や演劇学校は年齢制限を26歳あたりまでとしていることでした。私のキャリアチェンジはこれまた、どこか飛んでいるかもしれませんが、こんなところでも年齢の壁はあると思います。でも、年齢を言い訳にもしたくない。だから、年齢の壁はあるという事実を知りながら、それでもそれを超える強い気持ちで取り組みたいと思うこのごろです。
経験は何らかのかたちで活かせる(NS・東京・パートナー有・34歳)
まさに年齢の壁を実感し紆余曲折を経て、ようやく行き先を決めようとしているところです。自分自身は、仕事面に限らず、日常生活においてあまり年齢を意識していないとは言え、社会はそう甘くないと周囲から言われたことは本当だったと今回の転職活動で分かりました(笑)。キャリアチェンジでなくとも30代半ばでの転職というのはそう容易ではないのに、業界・職種両方の経験がなく、文字通りのチャレンジングな転職活動となりました。経験がないということが大前提としてあるので、年齢だけが理由で話が進まないわけではないですし、それを言い訳にはしたくありませんでしたが、もし同程度の能力を持っていて経験のない二人を候補として考えるならば、企業側としては若い人を選ぶだろうなと実感する場面は多かったように思います。でもなぜかそれで憤慨したり落ち込んだりすることはあまりなく、むしろ、そりゃそうだろうな、給与も少なくて済むだろうし、柔軟性も体力も勝っていると思われる(実際がどうかは別として)だろうし、と気長に取り組みました。結局ある企業に決まったのですが、それはおそらくレアで恵まれたケースだろうと思っています。田村さんが書かれているように、同業界での経験がなくとも、その人のそれまでの経験は絶対に何らかの形で活かされると思うので、そういう見方ができる企業、採用者が増えればと思いますね。
自分次第でやり直しはきく(momo-can)
私は今のところ学校を卒業して一貫してアパレル系の仕事をしています。職種は多少違うのですが、アパレルから外れるのはやはり怖いと思っています。しかしつい最近、このままアパレルで仕事を続けていくのが難しい状態に陥ってしまいました。それは病気です。私自身の意思とは関係なくキャリアチェンジをせざるをえなくなりました。今まで考えていた人生設計が全部狂いました。私は今30歳を過ぎていますが、やはりこの歳になると「未経験」で採用してもらえる枠が少ないのです。今から勉強したり資格取得などを目指してもすぐに35歳を過ぎ、それこそ経験者でも厳しい年齢へと突入していきます。ただ、怖い怖いと泣き言を言っても始まらないので、何とか今までの経験も生かしつつ出来ることを見つけていきたいと思います。50才を過ぎてから全く違う世界へ飛び込む人もいる時代ですからね。自分次第で本当はまだやり直しがきく年齢ではないかとは思います。
夢のためではなく、生きるために(lovesnow・山口)
まず、視力、体力は年齢とともに低下します。知能についても経験による世間への順応度は高まり労力で得た資産は増加するものの、理解力や記憶力はやはり下降します。つまり90歳では政治家への転向は可能ですが、多数の人命を預かるパイロットは無理であり……。また、家のローンや家族の扶養という幸せの代償が、ハンディキャップという形で妻帯者を独身者から後退させています。いわば若くて独身という状況が最適であり、この条件が変更されるにつれてほとんどの方が一種の壁を感じるに到るのではないでしょうか。なんとなれば、ほとんどの人は夢のために働いているのではなく、生きるために働いているのですから……。

思い立ったときが好機(花鈴蘭・東京・29歳)
40代後半からコーチングの勉強を始め、50代の現在、コーチとして活動されている女性が社内にいます。以前はパートタイマーだったのですが、現在はコーチとしてのキャリアを買われて正社員になりました。彼女を見ていると、キャリアチェンジは年齢に関係なく、自分が何かを始めようと思い立った時が一番の好機なんだなと思います。
資格を武器に、新しい道を拓く(robbin・神奈川・パートナー有・36歳)
私も現在キャリアチェンジの為に頑張っています。現在の職種とは全く関係のない職種を目指して勉強中です。私が目指しているのは、国家資格で、受験資格に年齢制限はありません。実力さえあれば新たな道が拓けるというものです。そういうものを目指す限り、年齢の壁はないと考えています。私も現在30代半ばを過ぎていますし、子供もいます。しかし、もし資格を手に入れれば、それこそがまさに私の個性であり武器となり得ると思っていますので、勉強あるのみです。
キャリアを活かせる範囲で(梶本洋子・東京・パートナー有・52歳)
キャリアチェンジに重要なのは、能力を研鑽することよりも実はその業界の水にいかに上手に適応できるかなのだと考えています。したがって未知の世界への転身は、唐突な感じを拭えません。キャリアチェンジは過去のキャリアを捨て去ることではなく、過去のキャリアも活かせる範囲で行うのが成功への道であると、私は考えます。年齢の壁に眼を向けるのではなく、自分の「やりたい」という気持ちに突き動かされた現実、つまりは「機が熟したのだ」と。