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12月26日に発生したスマトラ島沖地震とインド洋大津波による被害は、12カ国で死者14万人を超える史上最大規模の自然災害となる様相を見せています。20人以上の犠牲者と500人以上の安否不明者を出した日本も、5億ドルの援助拠出や自衛隊の被災地派遣を決めました。
事件発生直後、たまたまアメリカにいたのでニュースを見ていたら、あるテレビ局が「ツナミ・テロリズム」という言葉を大きく使っていました。一般に政治的、思想的背景をもつ殺りく行為と自然災害を同一視することには違和感もありますが、予知し得ない無差別攻撃という点では確かに共通点があります。
テロというのは、昔から政治的・宗教的な対立に悩まされてきた欧米や中東、東南アジアの国々に比べると、日本人にとってはそれほど危機意識をもつ必要のない概念です。いくら「地震大国」の住人だからといって、渡航先の海外で自然災害に遭うことを想定してあれこれ悩むのも現実的ではありません。
一方で、グローバル化が急速に進む現状は、すべての国や地域の人々が自然災害を含むあらゆる「テロ」のリスクにさらされ得ることを示しています。多くの邦人旅行客が巻き込まれたスマトラ島沖地震は、日本人にもこれまで以上に海外での危機管理対策が求められることを象徴しているといえるかもしれません。
スマトラ島沖地震は、日本人にとってもなんらかの教訓が得られる機会だと思いますか?