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2004年5月27日、第159回通常国会において、DV法(配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律)の一部を改正する法律案が成立し、「配偶者からの暴力」の定義が変わりました。
つまり、「配偶者からの暴力」に、身体的暴力だけでなく、精神的暴力・性的暴力なども含まれるようになったのです。
「DV(ドメスティック・バイオレンス)」というと、自分には無縁の話、と思っていらっしゃる方が多いのではないでしょうか。
ところが、現実のDVがらみの男女間の事件においては、決してDVは「飲む打つ買う」の、ろくに働きもしない男性が妻を殴る蹴る……というようなステレオタイプの事例だけではなく、たとえば年収が夫婦とも2000万円以上、というような高学歴・高収入の夫婦間でも頻発しています。
そして、パートナーたる男性から「おまえなんか人間のクズだ」「おまえなんか価値がない」などと言われ続けるという一種の精神的虐待に、女性は思考能力を失い、無気力になり、半ば鬱状態になってカウンセラーを訪問し、カウンセラーから指摘を受けて初めて「自分はDVの被害者だったのか」と気づくことが多いのです(ここから先がわたしたち弁護士の仕事で、依頼を受けて夫婦関係調整などの調停を起こしたり、DV法の保護命令の申し立てをなしたりします)
女性が精神的にも経済的にも強くなり、もはや暴力によってしか女性に勝てないと判断した男性からの反逆(?)のようにも見える、この「高学歴・高収入夫婦」に増加しつつあるDV。非常に現代的なDVの現れ方だと思います。
あなたには、まったく心当たりはありませんか? 精神的な虐待という観点から、パートナーとの関係を、一緒に見直してみませんか。