8000人の客室乗務員が「話しかけやすい雰囲気」をつくるには?
JAL永田執行役員 |
サービスの基本は、客室乗務員の対応。JALの客室乗務員、地上スタッフたちは、最高のマナーでの対応を常に心がけています。もちろんJALは、マナー教育においては第一線レベルです。しかし、ダイバーシティ(多様性)が価値であり、求められる今、客室乗務員の臨機応変な対応をより打ち出すことが「よいサービス」のカギではないかと、さまざまな提案が出されました。たとえば、「過剰」と感じることがあるサービスはどのようにしたら、自然なサービス、お客さまの意向に合ったサービスとなるのか。名前を呼ばれたい人とそうでない人。気持ちを察して声をかけて欲しいと思われる人とそうでない人。ニーズがさまざまな今、乗務員がそのニーズを素早く察知するための提案や取り組みについてのディスカッションが続きました。JAL初の女性役員である永田氏からは具体的な取り組みが紹介され、リーダーズからはさらに提案がなされるという充実した時間となりました。
サービス向上に向けたJALの取り組みについてもイー・ウーマンリーダーズたちに説明され、本音で、その取り組みのこと、チームワークのこと、サービスに際しての心構えなどが話し合われました。人を育てるという課題は、どの企業においても大切なもの。さまざまな意識の社員たちのやる気を高め、サービスマインドの向上のために、働く女性たちであるリーダーズの視点から多様な提案、意見が出されました。
JAL社内の意識変化
対話を見守るJALの社員たち |
上原取締役からは、再生に当たって、社員の意識の変化についての報告もありました。第1回目のイー・ウーマンとの対話時にも、「実際に機体を整備している人たちの顔を見て、安心して飛行機に乗りたい」、「整備スタッフからのメッセージがあったらいい」という提案もあり、早速それを整備士たちに伝えたところ、現在は、飛行機の搭乗タラップに、整備士たちの顔写真とメッセージを掲出することが始まりました。これは、整備士たちが自ら考え行動した結果。「かつて、裏方であるという意識の整備士が、お客さまとコミュニケーションを持つということはなく、そういったことを考えること自体もなかった。意識が大きく変化したことの現れだと思う。こうした自発的な取り組みがどんどん起きている」とのこと。
CSの大前提はES
ディスカッションの終盤では、「ベテランの客室乗務員が活躍できるように」「長く働いている人は、ワークライフバランスもしっかりできていれば、そうした人の姿は若手の目標ともなり、モチベーションも上がるはず」との意見もリーダーズから出て、話題はESにも広がりました。
「CSの大前提はESと考えている。サービスを提供する社員自身が満足していなければ、お客さまを満足させることはできない。社員を大切にする企業でなければ成長しないと思っている。社員のやりがい、モチベーションを大事にしていきたい」と上原取締役。イー・ウーマンから人材開発に関しての多様な意見、提案がとびました。
多様な意見・提案が飛び交う対話の場
予定終了時間をオーバーしての白熱したディスカッション。JALが本気でスマートコンシューマと語り合い、考え、自らを変えていこうという意欲は十分に伝わってきました。あとは継続のみ。全社の社員の意識改革は一夜にしては実現できません。じっくり、着実に、一つひとつ積み重ねながら、サービスの基本に戻って歩むことを、イー・ウーマンリーダーズは見守り、応援し、提案していきたいと思っています。本音ベースでの対話を始めたJAL。変革への明かりが見えています。
最後に全員で記念撮影
*イベント開催概要*
日程 : 2008年1月26日(土)
参加者: 北海道や沖縄からの参加者も含め、総勢20名のイー・ウーマンリーダーズ
会場 : 羽田空港近くのJAL訓練施設
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