次は、市場の効率性の話をしましょう。
第3回にも少しだけ触れましたが、みなさん、「市場が効率的」という意味を覚えていますか?
新しい情報が生まれてもそれが瞬時に価格に反映されてしまい、投資家がその情報を使って投資をしても、市場平均並みのリターンしか得られない場合、「市場が効率的である」といいます。
市場の効率性が高まると、決算も業績の予想も新製品を出す情報も、全員が同時に同じ情報を得られます。先に有利な情報を得た一部の人が、そうでない人々を出し抜くことはできなくなります。昔のように、一部の投資家だけが先にいい情報を知って株を買い、上がったところで売り抜けるというようなチャンスはなくなるわけです。
つまり、市場の効率性が高いほど、マーケットを分析することによって利益を得ることが難しくなってくるのです。たとえば、ニューヨーク証券取引所などは非常に効率性が高い。なぜなら、市場参加者が多く、情報発信が頻繁に行われ、企業もアナリストも何か情報が出ると、それをすぐに分析して価格に折り込んでしまうからです。
そういうところでは、アクティブ運用をしても大きなリターンは期待しにくくなります。効率的な市場ほど、誰がやっても差がつかなくなる。平均で10%値上がりするところ、自分でアクティブ運用しても12%しか上がらないかもしれない。大きくもうけることは難しい。だったら、手数料などのコストを考え、10%でいいからインデックスファンドで運用しようという考え方が出てくるわけです。
では、効率性の低い市場ではどうなのでしょうか?