一般に、発展途上国の市場は効率性が低い。中国の株式市場などに投資する場合、市場が非効率なので、調査や分析によって銘柄を掘りだせる可能性が高くなると思われます。かといって、必ず勝てるわけでもありません。
たとえば、中国株に投資する人がAさんとBさんしかいなかったとします。アクティブ運用をしたAさんのリターンが20%で、Bさんが0%だとすれば、市場平均は10%。Aさんは10%得したことになります。ところが、Aさんが20%なのにBさんは30%だとすると、インデックスは25%。Aさんはインデックスよりも5%悪かったことになります。アクティブ運用でもインデックスに勝つとは限りません。
市場に参加している人全員の平均がインデックスなので、自分よりもいい人がいれば自分は平均よりも下になる。人と比べてどうかということになってくるわけです。だから、中国株などでは、ある情報を知っている人はすごくもうかることもありますが、そのもうかる側になれるかどうかが問題です。負け組になる可能性もあるわけです。
今、中国株を個別に買おうという個人投資家が増えています。でも、アクティブ運用で勝ち組になれるほどの掘り出し物が、そう簡単に見つけられるでしょうか。みんなが知らないことを知ればアクティブ運用の価値が出て、うまくやると莫大(ばくだい)なリターンが得られる。が、誰に頼めばいいか、何を信じれば勝てるのかについてよく考える必要があります。今中国株を買うとしたら、ファンドを選ぶのが無難でしょう。
では、日本株の市場はどうかというと、完全に効率的ではありません。先ほど話したように、銘柄の分析をしてリターンを得られるというのは、効率性が必ずしも高くないことを示しています。さまざまな情報が流通し、みんながわかっているはずなのに、現実にはそれを見ていない人や知らない人がいるからこそ、そういうことが起こるわけです。日本株なら自分である程度わかるという自信があれば、アクティブ運用をしてみるものいいかもしれません。
今までの話をまとめると、