普通、株式は証券取引所という市場で取引しますが、証券会社が市場の役割を果たしている、私設取引システム(英語でPTSといいます)というものがあります。アメリカなどでは盛んですが、日本のネット証券では、2004年現在、マネックス証券の商品「マネックスナイター」だけです。
マネックスナイターは、取引価格が1本。値段は1個しかありません。たとえば、今日の大引けで1,000円だった株があるとしたら、その日の夜間取引はずっと1,000円です。1,000円で買いたい人と売りたい人がいたら、その数だけ約定する。先に入力した人からつけていきます。そういうつけ合わせをするシンプルなシステムです。
ですから、東証が引けた後、ロンドンで株価がどんどん上がったなどの動きがあったとしても、夜間取引では1,000円のままです。午後5:30〜11:59まで、同じ値段で買いたい人と売りたい人が出てくるのをずっと待っています。
マネックスナイターは、マネックスに口座を持っている個人のお客さましか参加できません。値段もわかりやすく、つくりはシンプルです。今日の大引けの値段で買いたかったらマネックスナイターで買えるし、売りたかったら売る。買いたくても売り手がいなければ買えないし、売りたくても買い手がいなければ売れません。
基本的には、3000銘柄中ほとんどの銘柄が取引できます。今夜買ったとしたら、約定日は明日。受け渡しは明日の昼間に買う場合と同じです。マネックスナイターで買った株を、東証などほかの市場で売ることもできます。
「明日の成行注文を今入れるのと、夜間取引で注文を今入れるのと何が違うんですか」とよく質問されます。夜間取引であれば、今の時点で値段が決まってますよね。でも、明日の成行とか指値で注文を入れると、明日にならないと値段はわからない。従って、今日の引け値でいいからとにかく売買したいという場合は、夜間取引を使うといいのです。