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ときおりふと、「私の仕事って、なんの役に立っているんだろう……」そんなふうに思うことはありませんか。突然ですが、「2人の石切り職人」というひとつの寓話を紹介します。
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旅人が、ある町を通りかかりました。その町では、新しい教会が建設されているところであり、建設現場では2人の石切り職人が働いていました。
その仕事に興味を持った旅人は、1人の石切り職人に聞きました。
あなたは、何をしているのですか。
その問いに対して、石切り職人は、不愉快そうな表情を浮かべ、ぶっきらぼうに答えました。
このいまいましい石を切るために、悪戦苦闘しているのさ。
そこで、旅人は、もう1人の石切り職人に同じことを聞きました。
すると、その石切り職人は、表情を輝かせ、生き生きとした声で、こう答えたのです。
ええ、いま、私は、多くの人々の心の安らぎの場となる素晴らしい教会を造っているのです。
どのような仕事をしているか。
それが、われわれの「仕事の価値」を定めるのではありません。
その仕事の彼方に、何を見つめているか。
それが、われわれの「仕事の価値」を定めるのです。
さて、あなたはどちらの石切り職人でしょうか。
「どんな仕事でも、必ず社会とつながっている」、そんな意識を持って働いている人たちを広い意味で「社会起業家」と呼びます。すべての仕事を通じて、社会を考える……そんな発想について、今週は議論してみたいと思っています。