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ビルや工場建設といった「男性だけの職場」と思っていた作業現場も、男女雇用機会均等法の施行とともに女性に開放されています。最近では、安全靴を履いた、つなぎ姿の女性を作業現場で見かけるようになりました。
しかし、作業現場の実態はまだまだ「男社会」です。女性用の更衣室もトイレもない現場も珍しくありません。実際、ある電機メーカーに勤務されている女性技術者が、発電所の修繕を担当して発電所社屋で打ち合わせをしていて、その6階建てのビルに女性用トイレが2カ所しかないことに気が付いて驚かされたりしています。
こんな女性技術者たちも、適齢期がくれば結婚・出産を迎えます。この時期の出来事も制度と現実のギャップを浮かび上がらせています。ある40歳代の女性技術者は、現在3人の子持ち。しかし「3回の出産で、1年間の育児休暇を一度も使えなかった」と話しています。その理由は職場への気兼ねです。「ここで1年も休暇を取ったら、職場復帰できるのか」。法律や制度的には職場復帰に問題はありませんが、実際に1年間の育児休暇を取ってしまうことは、退職を意味することもあります。男性の技術者であれば、こんな問題が起こらないのですから、気兼ねするのも無理からぬ話でしょう。
ただ女性技術者の発想が顧客に喜ばれたり、女性現場監督がプロジェクトで大きな成果を上げることも最近では増えているのは確か。フィリピンでは女性現場監督が思いきって働けるように託児所を設けている作業現場を見たことがあります。わが国では、作業現場における女性の活躍はこれからということでしょうか。
さて、質問です。皆さんは、オールドエコノミーの作業現場で、女性が働けると思いますか?