
信念と資格がある人ならば(タッキー5号・千葉・パートナー無・35歳)
ハッキリと「そういう仕事がしたい」という信念を持つ人なら、(パワーショベルやブルドーザーなどの)資格があれば、社会も変わるでしょう。収入も、初任給から普通のOLさんより高いと思いますし。育児でいったん離れても(多少操作が変わっても)、経験がものをいいますから大丈夫ではないでしょうか。
ガテンな仕事を選ぶ女性は増えるでしょう(ミツチ・港区・パートナー無・43歳)
オールドエコノミーというのは、いわゆるガテンな仕事と解釈してよいのであればYESです。
先日、江戸川区にあるガラス工場に見学に行きました。江戸川沿いには、古くからガラス工場があるそうです。古くて雑然とした中小規模のこの工場には、え? と驚く職人セグメントがありました。いわゆる昔からのガラス職人と思われる年配の男性、下働きのアジア系の出稼ぎ労働者風、技術の未熟そうな若い青年、そして美大出の若い女性たち。意外にもこのガテンな職場環境(ヒルズや丸の内へ、キャリアスーツを着て通勤するのとは、かなり違います)に若い女性が多くいたのです。工場主の方も、確かに女性で職人を目指す人が増えていて、江戸ガラスの技術継承には心配がないと言っていました。
また、年一回行われるマンションの排水清掃作業員に、今年は若い女性がいて、つなぎを着て手際よく作業をしていました。女性が働く選択をするのは珍しいことではない世の中ですから、ガテンな仕事を選ぶ人も増えるでしょうし、彼女たちが重要な戦力になることは不自然なことではないと思います。そうすれば従来男社会だった職場環境にも需要に応じて変化が生じてくるのは必然です。世の中は絶えず変化し、女性は男性より柔軟です。サルだって最初に温泉に入ったのは子ザルで、それをまねして気持ちよさそうに温泉につかるのはメスザルで、オスザルはバカがつくほど頑固に温泉に入らずに、頭のてっぺんに雪を積もらせて寒さと戦っています。人間の世界も、男は愚直で応用が利かず、挙句の果てに「女性がオールドエコノミーで働けるでしょうか?」ですって。働けますとも!
経験者ですが、課題は多いです(あるす)
働けます。というか、働いていました。地下足袋を履き、髪をまとめてヘルメットをかぶり、作業着で腰にナタを下げて、男性と同じように道のない山で仕事をします。働けないことはありませんが、悩みは多いです。トイレのこと、体調のこと、体力のこと、結婚や出産育児、介護のこと、同じように働いている女性が少ないために、悩みを話し合うことすらなかなかできません。働くことはできますが、働きつづけることを考えると課題は多く、常に「働けなくなったら」を考えながら働いています。
社会全体で検討する必要あり(サリーの恋人・埼玉・パートナー有・44歳)
「自分が?」はNO! ですが、女性も男性も好き嫌い、向き不向きがあるでしょうし、決して女性だから無理とは思いません。ただし、さまざまな条件整備は必要と思われます。どんな職業も、環境の整備は大切な問題です。また、育児休暇や保育の問題は、作業現場に限らず、今後女性が社会で活躍していくためには欠かすことのできない問題です。子供を産んで育てるにあたってどのようなスタンスで……ということを、もっと社会全体の問題と受け止め、検討する必要があると思っています。
こちらの意識よりも、受け入れ側の意識が問題(靖・東京・パートナー無・32歳)
取りあえず現状を。プラント経験8年、建設工事1年で土木専門の私ですが、一応その役割として「女性が男性社会で働く」という点で、色々な足跡はつけてきました。生理休暇の取得など、私の後進が苦労しないように、という思いです。受け入れてもらえるもの、そうでないもの、さまざまありましたが、ある程度の妥協は必要でした。また、特にプラントでは、男性の力でないと動かせない機器が多く、こういった場所に大々的な設備投資をして女性でも操作できる機器にすることは、無理。一方、建設工事現場は、現在路上工事を行っていますが、工事が開始されるのは夜間が多く、しかも屋外であるため、体が慣れないうちは大変です。トンネル工事は、法改正しない限り設計はできても、現場従事は無理です。工事現場は、男女関わらず、常に安全意識を持って事故なきよう仕事に従事しています。
管理職選考に合格した女性も、現在は課長補佐ですが部下はいません。しかし、都市計画分野で才能を発揮する彼女は、きっといずれ部下のいる課長になると信じています。私自身は、今後の体力などを考え、採用の有無に関係なく、土木でもその業界内の多くの法律分野で働けるよう、方向転換しつつあります。工事現場にいた私の先輩女性たちは、現在、設計部門で働いている方が多いのが現状です。
かなり否定的に書いてきましたが、土木の女性はみな強く、特に自立心ある人間が多いと思います。学校建物に、女性トイレは決まった場所にしかありません。一方、理論や実験など頭脳で勝負するなら、性差は関係ありません。駄目なら我慢するか、工夫するのが土木の女性です。新人で社会に出て、むしろ困ったのは性差ではなく、受け入れる側の意識の低さでした。いまだに女性を職場に入れることを、PRだと考える方は多いのです。一生この土木の世界でやっていくには、若いときの現場経験が大切。これは、建設業界に限らず共通だと考えます。