
社員に買収を説明するときに(bluesea)
以前会社が買収されるということがありました。会社が買収されると社長は辞任することになるため、社員に対して説明する時もどこか他人事でした。社長がしっかりと責任を持って説明してくれれば、社員は買収されても大丈夫なのではないかと思えるのですが、他人事という感じで説明されるととても不安になりました。取引先へ社長が説明する時も、同じような態度で説明していたとしたら、おそらく取引を続けて大丈夫だろうかと不信感を持ったと思います。社長がすべてではありませんが、やはり会社を代表する人ですから、社長の発言は会社全体が決定して公表していることと思われるので、重要だと思います。
対外的には「顔」だけれど(Jayster)
「社長」という役職は、対外的な折衝の要となることこそが仕事なのだと思います。ですから、会社を代表して各ステークホルダーとコミュニケーションをとっていくべきと考えます。しかし、それはいわば、会社の「外向きの顔」を演出することであって、会社の内側の社員たちの思いを100%代弁できるものではないと思います。私は以前にシンクタンクに勤務していましたが、社内の部門が3つに分かれていて、SEを抱えるITコンサルティングが収益の80%を稼いでいました。少数派で、しかもあまりお金にならないことをしていた研究員とエコノミストたちは、「自分たちがいるからこそ、この会社はシンクタンクなんだ」という矜持こそあれ、SE社員たちとの交流や相互理解は皆無に近かったと思います。仕事のしかたから、会社に期待するもの、キャリアパスの描き方まで、三者三様でまったく相容れない関係でした。そのような状況の中で、SE出身の社長が「3部門の協働による相乗的な価値創造」といったフレーズで株主に企業説明をしているところを見ても、正直、「社長は社長として言うべきことを言っている」としか受け取れず、社員の考えを代弁したものとは考えがたい言葉だという印象を受けていました。社長は、対外的な説明責任という意味においては「顔」ですが、それは決して、内側を最も端的に表す顔だとは思いません。
内部では意外と知られていないのでは?(のほっち・山口・パートナー有・34歳)
「代表」という立場からすると会社の顔であると思いますが、雇用される方として、果たして社長を見て会社を選ぶかと言えばちょっと疑問です。しかし、社長が社内を把握できずに「記憶にない」や「部下が勝手にやったこと」などど逃げ口上が出るならば間違いなく社長失格です。ただ、内部でも意外と社長の事は知られてないのも事実だと思います。
転職で、社名や社長の持つ重さを実感(NS・東京・パートナー有・34歳)
転職活動中に特にそう感じました。面接で前職の話になった際に、社長のことを聞かれ、話が盛り上がることが複数回あり、社名や社長の持つ意味合いの重さを実感しました。私の場合はプラスに働いたのでとてもありがたかったですが、逆もあり得るかもしれないですよね。また、逆に、面接の受け手として、社長をジャッジする自分ももちろんいました。たくさん候補者がいて、私ひとりにどう対応しようがその会社にはそう影響はないかもしれませんが、やはりその人は会社の顔。いくら職務内容が自分のやりたいことであっても、会社の顔である社長が魅力的でなければそこで働きたいという意思は生まれないものだと実感しました。
会社の未来を映す鑑(小林哲之・東京・パートナー有・38歳)
さる大手電気メーカーの子会社に居りました。社内のパソコンが1人2台くらいになっていたある年頭訓示で親会社の社長が「これからはパソコンによるダウンサイジングとオープン化の……」とやったのです。その瞬間、フロアに居た社員の半分はずっこけ、残りはがっくりと肩を落としました。「そんなことは、もう済んで、次に進んでる」というのが現場の気持ちだったのです。社長が自社が何をやっていて、これからどうすべきかまったくわかっていなかったことをグループ企業を含め25万人以上に明言した瞬間でした。「薄々と感じてはいたが、ここまで明言されると、モチベーション落ちるねぇ」とは、当時の上司の言葉です。その会社は今、部門と土地の切り売りで永らえていますが、常に危機に直面しつつ迷走しています。社長は、会社の未来を映す鑑であると実感いたします。