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初めまして。バイオ関連で起業をし、最年少で就任したみずほ証券の部長職を退任してしまった緒方修一です。年収2000万円を稼いでいた生活から、年収40万円まで落ち込みました。起業の難しさと楽しさをこの2年間に感じました。
私は大学が商学部、ゼミは金融市場論でした。大学4年の春に、米国キャロルカレッジへの留学を経験したのですが、いまにして思えば、それが人生の転機でした。熊本の田舎の生活から、米国の自由な世界を経験し、外資系の企業への転職にチャレンジするきっかけになったのです。
ゼミの関係もあり、就職は当然、金融業界でした。1987年の映画『ウォール街』の主人公、チャーリー・シーンのような株取引を業にしながら、どっぷり金融の世界に15年いたのです。当時、1兆円を越えるファンドマネジャーが、日本に3名いたのですが、そのうちの2名を顧客にでき、まさに映画のような莫大な取引を株式市場で発注することができました。顧客から受けた注文で株式がストップ高になり、市場の注目を浴びる取引も経験しました。
しかし、新規上場の業務を行ったことがきっかけで、起業を考えるようになったのです。外資系から、みずほ証券(富士証券)に転職し、IPO(新規公開株式)統括を行い、上場予定の社長とプレゼン資料を作成し、生保や銀行などのファンドマネジャーを訪問し、上場を手がけるうちに、自分で起業したいとの思いがふつふつとわいてきたのです。
そして、当時バイオ業界が話題になっていたこともあり、いままでのキャリアと直接関係のない、バイオの世界で起業をしたのです。バイオベンチャー起業の経験をへて、昨年の7月に、現在の「株式会社 日本メディカル・パートナーズ」のCFOを引き受けました。当時は、社長1人の会社でしたが、ビジネスモデルと明確な営業戦略を組み立て、わずか半年で上場準備が整いました。いままでに存在しない、新しい業種での上場になります。
今週は、起業をする際にどのように分野を選ぶのか、自分のキャリアと、市場の可能性をどう判断するのか、そんなことをみなさんとディスカッションできたらと思います。私は、業界が大切なのではなく、何ができるのか、どんなスキルがあるのかが大切だと思っています。身に付けた能力を十分に発揮できるか否かは、所属している業界ではなく、そこで会得した経験こそ重要だと思います。
いまの時代は明治維新に似ています。古い考えが後退し、大きな企業が消え、新興企業が台頭する。世代交代です。それは、業界にこだわるのではなく、自分たちで新分野を開拓すること、道を切り開く精神だと思います。
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