
めぐり巡って自分に返ってくる(月の猫・神奈川・38歳)
情けは人のためならず、のことわざどおり、めぐり巡って自分にも返ってくることだと思っています。どの程度、仕事上にそれを加えるかのさじ加減は大変ですが、ロボットが仕事をしてるんではないのですから、義理人情、大いに結構だと思っています。まぁ、義理人情で分割発注なんていうのは言語道断なのですが。人を育てたり育てられたり、そういうのは大きく捉えれば人情でしょう。画一的な評価だけでうまくいく職場ってのはそんなに多くない。それこそ、画一的な仕事(オートメーションの工場など)くらいではないでしょうか。
解雇されたとき、周りの方たちが……(三和子・埼玉・パートナー有・32歳)
「義理人情」という言葉を使うとニュアンスが変わってしまいますが、仕事をしているのが人間同士である以上、借りがあったり、個人的にいい感情があったりする人に有利なように動いてしまう(あるいはその逆)という傾向があるのは当然です。ただ企業について言えば、当然ながら仲良くすることが目的の組織ではないので、個人的な思い入れを、仕事の場面での状況判断とどう絡ませるか、大切なのはバランス感覚だと思います。私は以前解雇されたことがありますが、その時、かつて私なりに礼を尽くして接した方達が、退職までの期間、社内で私の体面が保てるように庇って下さった経験があります。その時に感じた心強さは、単なる金銭的メリットをはるかに超えていました。人と接して仕事をする以上、人の感情の動きを必要以上に軽く見るのはマイナスです。
社内のネットワークのために(あきんぼ・東京・38歳)
社内の別部門(ビルも別)の知人とのつながりは、まさに義理人情です。お互いに雲を掴むような調べものの時に、「何か知ってますか?」と頼り合う事で仕事がスムーズに進んでいます。社員だけでも数万人の会社なので、社内を探せば大抵の専門家がいますが、その専門家を探すのはある程度の範囲ごとに存在する知人が頼みの綱になっています。
「誠実に、正直に」を心がけています(小林哲之・東京・パートナー有・39歳)
仕事は、取引は、結局人と人です。大企業相手であっても、企業が喋るわけではない。やはり担当者という人が相手です。ゆえに義理人情は必要、いや、義理人情と言ってしまうと、テクニックとして義理人情を利用しているようで嫌なので、「誠実に、正直に」といつも心がけています。こういう話になると必ず接待や贈答品などをどうするかという話になりますが、個人的に信頼できる友人となれる人とは、やはり呑みに行くこともしたいですし「今日は私が、次回はあなたが」という感じになります。行く店を微妙に調整して、相手にあまり負担をかけないよう配慮する程度でしょうか。
あの人の紹介なら(lovesnow・山口)
外資系や若い世代のベンチャーのオフィスで感じることは、かなりクールでドライということです。逆に大手でも古くから国内に根を張った企業は、経営者の伝統なのか、どことなくホットで、苦労して手に入れた名刺たちが有効に働く場合があります。「あの人の紹介なら、忙しいが少しだけ時間を割いてもいい」ということがしばしばあります。日本は、そろばんプラスα(ギリ、ニンジョウ)で仕事が動いているように思われます。