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離婚相談や離婚調停・訴訟が増えています。夫婦の3分の1が離婚する時代、家庭内別居も含めると、夫婦の2分の1がうまくいっていないという話を私が聞いたのはもう数年前ですが、最近とみに離婚案件が増加しているという実感があります。
私などは、パートナーの選択を誤ったと思ったら、やり直すことはよいことだと思うのですが、離婚へのちゅうちょを感じられる方も多くいらっしゃいます。その理由としては、「夫婦共通で住宅ローンを抱えてしまっている」、「世間体が悪い」などという理由ももちろんありますが、離婚への最大のネックになるのが「子どもの存在」のようです。
「子どもの存在」がハードルになる、と申しましても、いろいろな意味合いがあります。「子どもへの精神的悪影響が心配」という心配を持たれる方が一番多いですが、さらには「私も働いているので、1人ではとても子どものケアをしきれない」という現実的な生活面を不安に思われたり、また、「子どもの教育にはお金を惜しみたくないが、私1人の収入ではとても……」という金銭的不安もあるようです。
ところが、離婚の実務を扱う現場では、最近、「子どものために離婚しない」という考えは、ことに女性サイドには減ってきているという実感があります。「不仲な両親のもとにいる方が子どもにとっては不幸」、「母親が幸せでないと子どもは幸せでない」、「私の人生は私の人生」という考えが、若い年代を中心に増えてきているのです。私の実感では、いまの40代以下では、こういった考えがむしろ主流のように感じられます。金銭的不安や生活面の不安を乗り越えて、母子の精神的安定が一番大切だ、と考える方が主流になってきているようなのです(60代以上の熟年離婚ではまた様相を異にします)。
どうでしょう? みなさんは、もし夫への愛情を喪失してしまっても、「子どものために」離婚をあきらめますか?