ちょっとレベルの高い話になりますが、投信には、株の配当と同じような「分配金」の出るファンドがあります。その場合、金額買付をしていると、通常分配金が再投資されます。再投資というのは、分配されたお金で自動的にまた投信を買付けるということです。一方の口数買付では、分配金をお金として支払います。一見、分配金をお金でもらったほうが得なように思いますが、実は、分配金を払った後の投資信託の値段は、払った分だけ下がっているのです。たとえば、1万円の投資信託があって、ある日100円の分配金を出したとして、マーケットが全然動かなければ次の日の基準価額は、9,900円に下がっているわけです。
また、投信の分配金にかかる税金は、来年の1月から10%になりますが、現在は20%かかります。今、毎月分配金が出る商品がシニア層に大変人気があります。そういう商品は、毎月安定した収入を得たいというニーズのある方にはいいかもしれませんが、基準価額が下がっているのに毎月分配している場合には、元本がどんどん減っていくことになります。みなさんのようにこれから資産を殖やしていこうという方は、分配金は再投資に回しましょう。
現在は分配金を出さないファンドも増えています。たとえばフィデリティ投信という会社がありますが、ここの「フィデリティ・日本成長株・ファンド」は分配金を一度も出していません。分配金を出すよりも、いい銘柄を見つけてそこに投資するという考え方で、どんなに値が上がっても出さない方針にしています。分配金を出さないファンドというのも、一つの見識であると思います。