後半は、株のことをお話します。
証券会社の主な商品は、投資信託と株です。投資信託は信託会社に分別管理されているので安心、という話を前回しましたよね。一方の株はどうなのかというと、株も保管振替機構、通称「保振(ほふり)」という公的機関があり、基本的にはそこに全部保管されます。たとえば、マネックス証券でトヨタの株を100株買ったとすると、その株は保振に置いてあるんです。買った方の名義で、預かっている証券会社はマネックス証券という形で預けてあります。ですから、もしマネックス証券に万一のことがあっても、保振に分別管理されているので大丈夫(笑)。株券がなくなるとか、返ってこないということはありません。
では、実際に株を買う場合、何が大切でしょうか。
まず初めに、何を買うのか、銘柄を決めなくてはなりません。投信ならば、日本株なのか外国株なのか、外国債券か、為替かと、大体決まってきますが、株の場合は選択肢がたくさんあります。この銘柄選びが、株式投資のほとんどすべてです。
何でもいいから株を買ってみてくださいと言うと、多くの人は「よく聞いたことがある会社だから」「最近ヒットを出してるから」「何となく伸びそうだ」などと、あいまいな基準で選びがちです。個人の投資家は、みんながよく知っている消費材系の会社を選ぶことが多い。三菱重工とか新日鉄を買うよりも、セブン-イレブンやドトールコーヒーなど、身近な会社の株を買う傾向があります。でも、それでは本当によい会社を見逃してしまうかもしれません。
一番大切なのは、「みんなが買わない時に安く買って、みんなが買おうと思っている時に高く売ること」。でも、その判断をするとなると大変難しいのです。よく「この株いいらしいよ」と風説が流れたりしますが、そういうものに惑わされず、あくまでも自己責任で選ぶ姿勢が大切です。