貸株サービスって聞いたことがありますか? 証券会社が、お客さまたちから何十億円の株券をお借りして、それをまとめて貸株市場というところに出して運用し、金利をお客さまに分配するというサービスです。普通の株券は、置いておくだけだと金利が付きませんよね。貸株サービスでどのくらい金利が付くかというと、9月の貸株カレンダーではだいたい0.1%〜2%です。たとえば100万円の株を持っていると、100万円×0.1%で1,000円で、その12分の1ですから80円。1,000万円なら、毎月約800円金利が付く計算になります。ただ株券を置いておくより、ずっとお得です。
一方、貸し出すためのリスクもあります。貸株サービスの場合は、株券の所有権が証券会社にいったん移るので、証券会社が名義人になります。貸株をやめれば、もちろん自分のところに戻ってきますが、貸株の間は証券会社にお金を貸しているのと同じ状態になります。もし、万一のことがあったら、お客さまは一般債権者となるわけです。分別管理ではないというリスクがあります。ただし、毎日変更できるので、もし貸株サービスを中止したければ、いつでも貸出しを止めることはできます。
また、貸株をしている間の配当や株主優待、株式総会の議決権は、すべて証券会社のものになってしまいます。たとえば、普通は株主のみなさんのところに「株主配当1,000円」とお知らせがきて、郵便局で税金を引いた900円がもらえます。ところが貸株をしているともらえなくなってしまいます。そこで税引後の配当と同じ金額を、マネックスのほうから「貸株金利」として900円をお返しします。株主優待の権利がなくなりますが、権利確定日の直前で貸出しを止めれば、優待を受けることができます。議決権も同様です。