普通の投資信託は、一日1回しか値がつきませんよね。たとえば「日経225ノーロードオープン」だったら、225銘柄の終値を全部計算して、ほぼ同じように動くように値が作られる。何時に注文を入れた人でも、全員が=午後3時=の時点で決まります。 一方、ETF(Exchange Traded Funds)は、証券取引所に上場している投資信託。株と同じように成行や指値で買えて、値段も上がったり下がったりします。同じ日に買った人でも、タイミングによって値段が違うのです。
手数料に注目してみましょう。ETFは株と同じ扱いなので、成行で買ったとしても100万円までは手数料が1,000円です。投資単位は最低額がだいたい10万円くらいで、10万円分買っても100万円買っても、手数料は1,000円です(マネックスの場合)。
一方、「日経225ノーロードオープン」は手数料がかかりません。その代わり、「信託報酬」が発生します。これは持っている期間に応じてかかる手数料で、ファンドの中からコストとして自動的に払われます。「日経225ノーロードオープン」なら、年間0.7%です。たとえば、1万円買って1年後にまったく値が動かず1万円だとしたら、70円分下がっていることになります。ETFも同じように信託報酬を取られますが、率は0.2〜0.3%です。長い間持っていると、信託報酬の額に差が出ますよね。
ではいったい、どちらを買ったら得なのでしょう。入口で取られるコストと、1年後、2年後の信託報酬を考えた上で答えを出すと、「日経225ノーロードオープンのような投資信託で積立をしていって、30万円、40万円など、ある程度の金額になったら、全部売ってETFに乗り換える」というのがコストを抑える賢い方法のひとつです。まず、毎月1万円、2万円で手数料無料のインデックスファンドを買っていきます。30万円くらいに達したら、そのまま持っていると0.7%の信託報酬がかかってしまいますから、手数料1,000円を払ってETFに買い替える。そうすることで、その後の信託手数料の差額分を節約できます。長い間持っていればいるほど、ETFのほうがコストを安く抑えられるわけです。
ETFは貸株の対象にもなりますし、株との損益通算ができます。もし、損をしたら株の利益と相殺して、税金を節約することが可能です。極めて株に近いけれど、値動きが日経平均やTOPIXに連動している商品と考えていただければいいと思います。
うまく使い分けて、前回言ったように「コストを下げる」という視点で商品を選んでいくことが、賢く運用するコツになります。
さて、次回までの宿題は、自分の資産の全体像を把握すること。 どこにいくらあるか、きちんと把握している人って、意外と少ないんです。
もう一つは、資産運用の目的を明確にすること。何年後までにいくら、という計画が立てられるとベストです。頑張りましょう!