テクニカル分析には、移動平均(Moving Average、通称MA)というのもあります。これは過去の平均購入コストを示しています。たとえば、5日間で、初日が100、110、120、130、140と上がったとすると、移動平均は(100+110+120+130+140)÷5で120となります。過去5日間の平均値を出すと120、5日目の今日は140なので何となく浮いている状態です。
今日を含めた過去5日の終値の平均値を使うか、25日か75日かと、何日の平均値を使うかによって結果が変わってきます。何日の平均値を使うかは、人それぞれです。
移動平均でよく使われるものに、デッドクロスとゴールデンクロスがあります。
まず、デッドクロスとは、短期の移動平均が長期の移動平均を下に突き抜けた場合。つまり、値段がどんどん下がっているときです。逆にゴールデンクロスは、短期の移動平均が長期より上に突き抜けた場合。値段が上がっているときです。デッドクロスになったら売りで、ゴールデンクロスになったら買いとよく言われますが、よく考えると当たり前のことです。言葉に惑わされないようにしましょう。
移動平均では、相場の流れが変わってきたなということはわかります。ただ、デッドクロスになったら必ず売り、ゴールデンクロスになったら必ず買いと決めつけてしまったら、たぶん勝てないでしょう。相場の方向性を見るための手がかりにしたり、目標をどこに置くかを見たりするために、ローソク足や移動平均などのテクニカル分析を使うのが正解です。