業種別のETFについて、具体的に例を挙げて考えてみましょう。ちょっと高度な取引の話になりますが、たとえばソニーの株を持っている場合。市場は東証で、業種は電機、銘柄はソニー。そうすると、市況の良し悪し、電機業界の好調不調、ソニーの業績がよかったか悪かったか。それら全部が合計されて、ソニーの株価が決定されると考えることもできます。
そうすると、たとえば「ソニーの株価が下がるかな? でも電機業界全体では少しよくなるかもしれない。日経平均はちょっと上がる」と予想した人は、ソニーの株を売って、電気機器株価指数と日経225などの市場連動のETFを買えば、自分の相場観と一致した投資行動が取れることになります。
あるいは銀行業の中でA銀行がほかの銀行よりよくなりそうだ、と思ったら銀行業株価指数を売って、A銀行の株を買うという方法が考えられます。これなら市場全体の動きにかかわらず、利益を上がられる可能性が出てきます。
つまり業種別のETFによって、自分が取りたいリスクだけを切り分けて取引することが理論的に可能になるというわけです。