インデックスファンドとアクティブファンドのどちらを買ったらいいのかとよく聞かれます。わたしの正解は「両方買う」です。アクティブ運用は、インデックスよりうまく運用するのが使命ですが、インデックスより上の運用をしている人がいるということは、インデックスより下の運用をしている人もいるということになります。
勝っている人がいればそれと同じくらい負けている人がいる。能力があるから勝ったのか、たまたま偶然なのか、その理由はなかなかわからない。1年間勝ち続けているファンドがあったとして、そのファンドマネージャーが優秀だからなのかどうかは判断できません。あまり長い実績を見ようとしても、判断するころに運用担当者が変わってしまっては仕方がありません。
金融の世界には、「市場は効率的か否か」という永遠の議論があります。たとえば、日経新聞の朝刊を見て「●●会社、業績急回復」と出ていれば「買いだ!」と思いますよね。だけど、実際にそういう情報が出ているときには株価が上がっている。一般の人が「これは特ダネだ」と思うとき、それはすでに株価に組み込まれているから、そういう情報をもとに取引をしても利益は得られないというのが「市場は効率的だ」という考え方です。
「市場は効率的じゃない」と言っている人は、一部の人たちだけが感じることができる情報がある、市場に非効率な部分があると主張しています。アクティブ運用のファンドを買う人は、市場が非効率だと考える人たちです。
結局よくわからないから両方やっておくほうがいいんじゃないかというのが、わたしの考え方です。これを専門用語で、「コア&サテライト運用」といいます。コアになるのはインデックスファンド。それにプラスして、「おかず」みたいな感覚で個別の銘柄やアクティブ型の投資信託を買って、全体の資産を分散投資するという考え方です。最終的には、先ほど説明した四つのアセットクラスの中で、何をコアにしてサテライトにするかと考えて資産を組み入れると、偏りのないきれいな運用ができます。
ちょっと宣伝になりますが、マネックス証券の場合は、あらかじめある程度ファンドを選んでいます。日本株なら、普通のアクティブと小型株とインデックス。同じアクティブファンドでも運用の方針やパフォーマンスが違うので、運用状況や目論見書を見て検討してみてください。みなさんはインデックスを既に買われているので、それをコアにして、サテライトとして何か違うファンドをアクティブなどから買ってみるのもいいでしょう。