外貨の運用リターンを決めるポイントは、三つあります。為替の手数料と金利、運用期間です。なぜ外貨投資をするのかというと、国内に比べて金利が高いからですよね。でも実は、金利よりも為替の手数料のほうが比率として大きい場合も多い。目先の金利にだまされないことが大切です。特にドル以外のポンドとかオーストラリアドルとか、高金利通貨になればなるほど手数料がわかりにくい。為替の場合は、手数料のチェックがすごく大切です。
次に、外貨預金と外貨MMFの違いに注目してみましょう。一般に外貨預金の為替手数料は外貨MMFより高くなります。たとえば、ユーロの外貨預金の手数料が1円50銭だとすると、買って売るだけで3円取られます。逆に3円もうけるのは大変です。1ユーロが120円、年間2.5%の金利だとしても、1年たたないと元が取れませんよね。
もう一つの大きな違いは、解約のタイミングです。外貨MMFには、外貨預金のような「満期」というのがありません。外貨預金は、1カ月、3カ月といった満期が決まっていて、その期間の金利が固定されています。逆に外貨MMFの分配率は毎月変わります。固定金利と変動金利のような違いがあるのです。
外貨預金は通常、満期までの間は解約できません。急に円安や円高になって売りたい場合も対応できないわけです。また、外貨預金は預金保険の対象外です。もしその銀行に万一のことがあっても、元本保証はない。外貨MMFも投資信託ですから元本保証、預金保険はありません。ただ、MMFは投資対象が分散されているので信用リスクは小さいし、以前お話ししたように、資産は信託銀行に分別管理されてますから安心です。
従って、「コストの面で有利な可能性が高い」、「いつでも解約できる」、「分別管理なので安心」という三つの点から、外貨MMFのほうが有利な点が多いといえます。