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保育所の設置基準を作ろう!
2001年9月12日(水)配信
9月10日から、「総合規制改革会議」が再開しました。7月の「中間とりまとめ」の内容を「工程表」に入れ、閣議決定して、法律化していく……。そのために、どんなスピードで何ができるのかを決めて、動かしていきます。
保育所についても、さらに具体的に提案し、進めていきますので、是非ご協力を。
みなさんからいただいていたすべてのご意見をプリントアウトして、石原大臣に手渡しました。ご報告まで!
ewoman:規制改革メルマガ編集長
佐々木かをり
保育所の設置基準を作ろう!
- A:
いよいよ総合規制改革会議が再開、また忙しくなるのね。
- B:
そうですね。今日はみなさんに提案したいことがあるんですが、まずその前に一つ質問。保育所を作るのに、どんな基準があると思いますか?
- A:
そうねえ、たとえば、保育士との数、とか。
- B:
それが普通の考えですよね。でも現実には、保育所は誰でも自由に作れてしまうんです。営業開始に、制限がありません。
- A:
-
そんな……。わたしもあなたも、作ろうと思えば保育所を作れるということ?
- B:
そうなんです。以前にも言いましたけど、保育所には、「最低基準」を満たしている「認可保育所」と、満たしていない「認可外保育所」があります。つまり「認可外保育所」は誰でも作れるのです。
- A:
「認可外保育所」には、設置の基準はないの?
- B:
一応、「指導監督基準」というものはあります。でもこれは、名前が示すとおり「作った後の指導監督」のための基準ですから、保育所を作ること自体は自由なんです。
- A:
「指導監督基準」って、認可外保育所のためのものだとしたら、「最低基準」よりも縛りは弱いんでしょ。でも、「最低」の下にまだ別の基準があるのも、変な話ね。
- B:
言葉の問題もありますが、もっと問題なのは、「指導監督基準」は、とても消極的な基準だということなんです。
- A:
えっ? ちょっと難しい。もう少しわかりやすく説明して。
- B:
たとえば、立ち入り調査に関しては、「立ち入り調査は、乳幼児を1日当たり概ね10人以上入所させる認可外保育施設について、年1回以上行うことを原則とすること」となっています。それ以外の保育所に関しては、重大な事故や利用者からの苦情がない場合は、通常、立ち入り調査はしないんです。つまり、「指導監督」と言いながら、すべての認可外保育所に求めるのは「報告」のみで、どこまで実効性があるのか、非常に疑わしいんです。
- A:
そうか。「報告」だけだったら、抜け穴がたくさんありそうだし。
- B:
そう。だから、事件のあった「ちびっこ園」のように一つのベッドに乳児を2人ずつ寝かせているような保育所も開業できてしまうし、事故が起きるまで、立ち入り検査もできず経営が続いてしまうのです。
そこで提案したいんです。今後、民営化が進むことが避けられないとして、いまの法律では、すべての保育所がのためを考えて作られる保証は、残念ながらありません。
誰でもが開業できているのですから、需要が大きいからもうかるだろうと 安易に開業する企業が出てこない、という保証はないのです。
提案したいのは、保育所は、なんらかの基準をクリアしなければ開業できない、とすること。
そして、そのための設置基準を作りたい。わたしが「総合規制改革会議」に提案しますので、法制化するためのewomanからの提案をまとめたいのです。
すでにある認可外保育所に対する「指導監督基準」をそのまま設置基準にするのか、それとも新しく作るのか。
どちらにせよ、その設置基準を満たさない保育所は設置してはならない、という基準です。
- A:
そうね、あなたは常々、民営化の危険性のポイントの一つとして、安全性を指摘してたわよね。
「経済の摂理として、民営化すれば消費者が企業を選び、だめな企業は淘汰される」と言われても、「保育所に自然淘汰はおかしい。何人のが犠牲になるのを待てと言うのか」と怒っていたものね。それはわたしも賛成よ。設置開業する時点で、きちんと、基準のチェックができる体制じゃなくちゃ、民営化に賛成できなくなるわ。
- B:
そうなんです。理想は「認可/認可外」という表現もやめて、基準を統一化することですが、今回は、とにかく認可外保育所の設置基準に絞って意見を集めることにします。

「認可外保育所に設置基準は必要?」

総合規制改革会議 2001年7月24日に提出された中間とりまとめを読むことができます。
事実と違う! とか、実態を知らないのでは! もっと根が深い!といった意見も、是非お寄せください。
ただ、ご意見をいただく際にお願いしたいのは、「たち」にとって一番よい環境を作るために、いままでの既成概念を捨てて、新しく考えること、そして違う意見にも耳を傾けて、前向きに、建設的に話し合うことです。
このメルマガは毎週水曜日に発行し、同じ週の金曜日に、みなさんからのご意見をewomanサイトで掲載します。それを読んで、また続けてご意見いただければと思います。
サイトへの掲載をするか否か、編集権、2次使用権はewomanに帰属することをお許しください。個人名を書いていただきますが、サイト掲載または2次使用の際は、個人名ではなくewomanニックネームを掲載させていただくことでみなさんのプライバシーを守りたいと思います。いただいたご意見は、サイトに掲載されない分も含めて、すべて佐々木が内閣府に届け、届けたことをサイトにてご報告いたします。批判ではなく、改革。
建設的に、意見を積み上げられたら、と思います。
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