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指導監督基準のここを変えて設置基準にしたい
2001年9月19日(水)配信
とにかく、「保育園」を誰でも、どんな環境でも作ることができてしまう現状を変えないといけない、と思いませんか? ということなんです。
認可の公立保育園が増えることが可能なら、それが一番と思い、わたしも発言してきましたが、なかなか難しく、民営化の波が押し寄せてきます。 それなら認可外の保育所に設置基準のない現状を考え、ewomanのメンバーで、わたしたちの基準を作りたいのです。
事故が起きるまで放置しておくなんて、許されてはなりません。広さや設備の話ではないのかもしれません。でも、庭や光や心のこもった食事や愛はほしい……。ビルの上のほうにあってもよいでしょうか?
大人は、資格があればよいでしょうか? あるいは違う視点が? 具体的な提案を、お待ちしています。
ewoman:規制改革メルマガ編集長
佐々木かをり
指導監督基準の「ここ」を変えて設置基準にしたい
- A:
認可外保育所の指導監督基準を読んだわ。はじめに教えてほしいのは、認可外保育所が受ける改善勧告の内訳って、どんなものがあるの?
- B:
まず多いのは、保育者の数と保育士の数のようです。
ちびっこ園のときも、保育者数の不足は指摘されていたんですね。ただ、一つのベビーベッドに0歳児二人を寝かせていた、ということを、東京都は発見できなかったようです。
- A:
わたし、ちょっと引っ掛かるところがあったんだけど、認可保育所は、全員資格のある保育士がいるでしょ。でも認可外保育所って、保育士と看護婦は全保育者数の3分の1でいいのね。3分の2は、資格を持ってない人が保育をしてもいいことになっている。
- B:
そうですね。先日の朝日新聞(8月31日朝刊)にも出ていましたが、保育士の労働環境がものすごく悪化しているんです。
保育士が長期的に仕事を続ける環境が少ない、ということは、にとっては一緒にいる大人がどんどん変わってしまう、つまり、そのまま保育環境の悪化にもつながってしまうんです。
- A:
それはわかるわ。だから労働環境が整うことが前提だけれど、認可外でも3分の1ではなくて、せめて過半数は保育士がいてほしいわ。
- B:
ええ。「保育士の資格を持っていることが大切」とか、「長期安定で働いてもらえるなら、フルタイムじゃなくて午前番、午後番でもよい」とか、具体的な提案があるといいですね。
- A:
あと、ついでに教えてほしいんだけど、「ほふく室」って何?
- B:
乳児が自由に動き回れるスペースのことですね。2歳未満児を入所させる認可保育所では、1人当たり3.3平米、最低基準として定められています。
- A:
それが、認可外の保育園に対する指導監督基準にはないよね。
- B:
そうですね。2歳未満に限っていえば、認可保育所は、乳児室またはほふく室ということで、1人当たり3.3平米(約2畳分)が最低基準なんですが、認可外は、乳児室だけで、1人当たり約1畳、1.65平米。
- A:
この開きは大きいんじゃない? 「ほふく室」って名前はどうでもいい。むしろ変えたほうがいいと思うけど、認可外の保育所だって、もう少しスペースを取ったほうがいいと思うわ。たとえば、1人当たり2.5平米にするとか。
- B:
東京都が独自に行っている認証保育所制度では、2.5平米が基準となっていますね。
- A:
そうなんだ。1日の大半を過ごす、によっては5年間過ごす場所で、1人1畳はさすがに狭すぎるよ。
- B:
あと、認可外の指導監督基準には、屋外遊戯場(園庭)についての規定がないんです。
- A:
都心はなかなか広い土地がないからね。
- B:
でも、2歳児以上には必要かな、とも思うんです。体を動かすことがストレス解消になるし、運動能力の向上にもつながる。園庭がないことを認めるのか、その場合は、どのくらいの距離に、どのような公園や代理となる施設があればよいでしょうか。
- A:
そうね。1日中屋内っていうのは、健康にもよくなさそうだし。
なんだから、飛んだり跳ねたりは必要ね。大人だって、5年間、畳1畳の場所にいたら、健全に暮らせるとは思えないわ。
- B:
-
大体、わたしたちがなんとかしたい、という項目の考え方は出たようですね。
今回のディスカッションと、みなさんからいただいた意見をもとにして、わたしたちの提案する、認可外の「保育所の設置基準」を作ってみることにしましょう。

「認可外保育所の指導監督基準は甘すぎる?」

総合規制改革会議 2001年7月24日に提出された中間とりまとめを読むことができます。
事実と違う! とか、実態を知らないのでは! もっと根が深い!といった意見も、是非お寄せください。
ただ、ご意見をいただく際にお願いしたいのは、「たち」にとって一番よい環境を作るために、いままでの既成概念を捨てて、新しく考えること、そして違う意見にも耳を傾けて、前向きに、建設的に話し合うことです。
このメルマガは毎週水曜日に発行し、同じ週の金曜日に、みなさんからのご意見をewomanサイトで掲載します。それを読んで、また続けてご意見いただければと思います。
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建設的に、意見を積み上げられたら、と思います。
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