海外をめざした理由とこれから挑戦する方へのアドバイス
オランダへ来たのは家族の仕事の都合でしたので、選択の余地はありませんでした。とは言え、英語がよく通じ、人々も親切で明るく、あっという間にこちらの生活に溶け込むことができました。
ただ、難関は滞在許可の取得。私の場合、許可が降りることは確実だったのですが、それでも手元に届くまでに10カ月もかかりました。労働許可も一緒に降りましたので、手元に届き次第仕事を始め、忙しいながらも充実した日々を送っています。政府が移民に義務付けているオランダ語講座ももうすぐ始まるので、そちらも楽しみです。
この講座は、オランダへの移民が暮らしに溶け込み、職を得るための手助けをするプログラムです。参加費用は国が補助してくれるので、本人が負担するのはテキスト代のみです。講座は、オランダの文化、生活の仕方、オランダ語、職業訓練(PCスキルなど)からなります。ハーグ市の場合、週4日計18時間、1年間の昼間コース、週2日計6時間、1年半の夜間コースがあります。5週間で1学期になっており、学期間には休暇があります。
NT2というオランダ語の国家試験に合格することを目標としているようですが、合格が卒業の条件ではないようです。授業は民間の学校(専門学校のようなところ)で行われます。私のように既に就業している場合は(夜間コース)、オランダ語講座のみを受講することになります。子どもがいる人などは、夜間コースと同じスケジュールの昼間コースを受講することもできます。
オランダは、日本人にとっては古くから交流がある国であり、興味をもたれている方も多いかと思います。ただ、オランダへ住み、仕事を得ることは簡単ではありません。上で書いたように、現在、外国人への滞在許可・労働許可の発給は非常に厳しく制限されています。観光ビザでオランダへ来て就職先を探す、といったことはほぼ不可能だと言えるでしょう。採用が決定してから渡蘭されることをおすすめします。
思いがけず海外で働くこととなりましたが、日系企業ということもあり、すんなりと仕事に慣れることができました。海外で働いているとはいえ、日本で働いていたときと特段変わりはありません。強いて言えば、オランダ人と同じく、契約の8時間働くとさっさと会社を後にすることでしょうか。と言っても、中には朝早くから夜遅くまで仕事に打ち込んでいる人も見受けられます。
オランダ人の英語力は非常に高く、オランダ語ができなくても仕事につくことができたというのも、オランダならではでしょうか。今後、日本人らしい気配りや繊細さを忘れず、国際的な力を身につけていきたいと考えています。
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